かつてベネチアとパリを結ぶ寝台特急テロ(thello)が運行されていた。
その乗車記録を紹介する。
訪問日: 2016年2月4日
寝台特急テロでベネチアからパリへ
テロは、2011年に運行を開始した、ベネチアとパリを結ぶ国際寝台特急であった。
残念ながら、新型コロナウイルスの影響で2020年に運行を停止し、現在は廃止されている。
列車の出発地は、ベネチア本島内にあるベネチア・サンタルチア駅である。
テロはトレニタリア(イタリア鉄道)により運行されていた。列車番号は220、ベネチア・サンタルチア駅を19:20に発車する。
先頭の機関車、やたらボロボロじゃないだろうか。
客車の方はピカピカではないものの、比較的新しくて快適だった。
乗車口では車掌が出迎えてくれた。物腰柔らかく、イタリア語・フランス語・英語を流暢に話し、車内を丁寧に案内してくれる、ハイレベルな車掌だった。
今回は2人用個室を予約した。2段ベッドが備わっている。
ベッドは最初はソファにセットされていた。
車内には洗面台もある。
テロのオリジナルアメニティも充実していた。
列車はベネチアを出るとミラノ中央にも停車していた。北イタリアの大都市からも乗車できる便利な列車だった。
テロの食堂車で朝食を食べる
翌朝、目覚めたらディジョン付近を走行していた。パリへの到着時刻を考えると、未だに300km近く離れたディジョンにいるのは計算が合わない。要するに、列車は1時間ぐらい遅れていた。このあと予定が詰まっているわけではないので別にいいのだが。
食堂車で朝食を食べる。
朝食を注文したら、コーヒー、オレンジジュース、クロワッサン、お菓子のセットが出てきた。ヨーロッパ式の簡単な朝食である。
定刻09:55着のところ、結局1時間遅れで11時頃にパリ・リヨン駅に到着した。
駅名の通り、リヨン方面へのTGVが並んでいる。
パリを観光する
パリ到着後、市内を観光する。
パリのシンボルである凱旋門。
館内には豪華絢爛な装飾が施されている。
意匠が凝らされたパリ地下鉄4号線シテ駅入口。アールヌーヴォーの建築家、エクトール・ギマールによるものである。
セーヌ川から見たノートルダム大聖堂。2019年に火災があり、2023年現在は休業中である。
ノートルダム大聖堂の内部。
パリのもう一つのシンボルであるエッフェル塔。見るのは2回目だが、今回も登ることはなかった……。
ベルサイユ宮殿を訪問する
翌日、パリ郊外にあるベルサイユ宮殿に向かった。
パリ中心部からはRER(地域急行)C線で行くことができる。
車内にも日本語で案内がある。やさしい。
車内もベルサイユ宮殿風のラッピングが貼られていた。
終点のベルサイユシャトー(ベルサイユ宮殿)駅から徒歩10分ほどでベルサイユ宮殿に入る。
内部を見学する。多くの観光客で賑わっている。
庭園側から見たベルサイユ宮殿。
ベルサイユ宮殿は、建物も壮大だが、それ以上に庭園も広い。全部見ると丸一日かかりそうな広さだった。
つづく。