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twinrailの海外鉄道旅行記録

SRT・水西平沢高速線の全駅を巡る 韓国京畿巡検 19-02

2016年12月9日、水西平沢高速線が開業し、韓国第二の高速列車であるSRTが運行を開始した。

開業から1ヶ月後の状況をレポートする。

訪問日: 2017年1月12日

始発駅・水西駅を見学する

従来、韓国の高速列車であるKTXは、ソウル中心部に位置するソウル駅をターミナルにしていた。しかし、線路の混雑により高速化と増発が限界に達していたため、新たにバイパス線としてソウル南部の水西駅をターミナルとする水西平沢高速線が建設された。

また、同時にKTXを運行するKorailの子会社としてSRが設立され、別の高速列車であるSRTが水西平沢高速線の開業日と同時に運行を開始した。


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それにしてもこの水西駅というのは、ソウル中心部から結構離れている。ソウル駅を東京駅だとすると、水西駅は蒲田駅あたりのイメージだと思う。

水西(수서)駅にやってきた。ホームは地下だが、駅舎は地上に大きなものが建設されていた。

駅構内に入るなりものすごい数の人が長蛇の列をなしていた。これに並ばないと列車に乗れないのか?

と思ったら、これは旧正月の前売り券の待機列らしい。日本の年末年始以上のチケット争奪戦になるのもすごいが、開業1ヶ月で移動手段としてしっかりと定着しているのもすごい。

当日のチケットは自動券売機で普通に買える。と思ったらクレジットカードが弾かれてしまった。2017年時点では外国発行のクレジットカードは券売機では使えなかった(2023年現在は不明)。

窓口では無事購入することができた。

地下のホームに降りる。

新義州」(中国に面した朝鮮の都市)の文字が入った石碑が設置してあった。いつの日か釜山から中国まで直通してほしい。

列車は釜山方面に行くものと、光州・木浦方面に行くものの2系統が運行している。

ホームは6番線まであり、かなり広い。

SRTの車両を見る

車両はKTX-サンチョン(산천)とほぼ同形式の120000系である。

側面には「SRT」のロゴが入っている。

315列車釜山行きに乗車する。水西駅を08:10に出発する。

日本の鉄道に比べるとホームが低い。ステップが出ているのが特徴的である。

車内デッキの様子。

車内に入る。標準軌だが日本の新幹線よりも狭い感じがする。シートは2+2の4列シートである。

座席の様子。リクライニングするし、座り心地もなかなかいい。

車内の液晶テレビには日本語の案内もあった。

灘駅を見学する

15分走行し、東灘(동탄)駅に08:25に到着した。

灘駅もホームは地下に位置している。ここからも多くの客が乗車してくる。

灘駅でも旧正月の待機列ができていた。チケット購入のハードルは高い。

地上に上がる。駅周辺は高層ビルが何棟も建設ラッシュを迎えていた。


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ここ東灘駅は、ソウルから40km南に離れたニュータウンである。水西平沢高速線が開業する前は、京釜高速道路が主要な交通手段になっていた。

駅前はバスロータリーになっていた。

バスが到着するまでの時間が表示されている。

続いて、605列車光州松汀行きに乗車する。東灘駅を08:50に出発する。

芝制駅を見学する

10分ほど走行して、芝制(지제)駅に09:00に到着する。現在は平沢芝制(평택지제)駅に改称している。

全長50kmに及ぶ栗峴トンネル(율현터널)を抜けて、列車はこの付近でようやく地上に現れる。地下鉄を除く鉄道トンネルとしては世界で4番目に長い。

平沢芝制駅では、在来線の京釜電鉄線(1号線)と乗り換えることができる。

時刻は9時を過ぎ、旧正月のきっぷの発売が始まっていた。

天安牙山駅からセマウル号でソウルに戻る

SRTは高いので、一旦京釜電鉄線に乗り換えて天安牙山駅へ向かう。

天安牙山駅でもSRTを撮影した。

わざわざ天安牙山駅まで行った理由は、このセマウル号に乗車するためである。

セマウル号1154列車、牙山駅10:40発、竜山駅11:57着に乗車する。旧型のセマウル客車はその後廃止され、これが最後の乗車機会となった。

おわり。