パリからバルセロナまで、寝台列車と普通列車を乗り継いで行くことができる。
バルセロナのガウディ建築を見に行った。
訪問日: 2016年2月9日
寝台列車でパリからスペイン国境へ行く
夜のパリ・オステルリッツ駅に来た。大きな荷物を持った人々が集合しており、夜汽車の旅情が高まる。
夜のオステルリッツ駅は夜行列車の出発ラッシュであった。21:39発の3731列車、ポルトボウ(Port Bou)行きに乗車する。ポルトボウはフランス国境に面したスペインの街である。
列車が入線した。車両は古いコライユ(Corail)客車と呼ばれるもので、日本のブルートレインとかなり雰囲気が近い。
車両は古いが、行き先表示のデザインは現代的である。
通路を歩いて自分の寝台へ向かう。駅も車内も薄暗い…。
今回はクシェット(Couchette)と呼ばれる3段寝台に乗車する。個室になるため、最大6人が相部屋になる。
やはり内装は古いが、車内の案内ステッカーは現代的である。
車内には特に食堂車などはない。出発すると、寝る以外にすることは特にないので眠ることにした。
翌朝、車窓から海が見えた。列車はフランス最後の駅、セルベール(Cerbère)に停車するところだった。
ピレネー山脈のトンネルを越え、フランス・スペイン国境を跨ぐと、08:10に列車は終点のポルトボウに到着した。
乗客の大半はすでに手前の駅で降りていたようだった。
ポルトボウ駅で乗り継ぐ列車のきっぷを買う列ができている。私はユーレイルパスがあるのでそのまま乗車することができる。
かつてはパリからバルセロナまで夜行列車で直通できたようだが、2016年時点では国境を越えたすぐのポルトボウ駅で終点になっていた。さらに、2023年現在は国境すら跨がず、フランス国内のセルベールで終点になっているようだった。
県境で列車が分断される現象はヨーロッパでも同じなのであった…。
普通列車でスペイン国境からバルセロナへ
駅名標もスペイン鉄道(Renfe)の仕様になった。
バルセロナ・サンツ行きのセルカニアス(Cercanías)R11号線に乗車する。バルセロナ中心部まではまだ150kmぐらいあるが、ここは既にバルセロナ近郊区間なのである。ポルトボウ駅を08:33に出発する。
ここから軌間が標準軌(1435mm)から広軌(1668mm)に変わる。心なしか車内も広い。
この列車はバルセロナ・サンツ行きだが、途中のマサネットマサネス(Maçanet-Massanes)駅であえてセルカニアスR1号線に乗り換える。10:01着で10:04発という慌ただしい乗り換えだった。
なぜなら、R1号線は海沿いを走るので、メチャ車窓がいいのである。
砂浜にホームがあり、ボートが係留されている。ひなびた漁村のようなのどかな光景で、ここもまたバルセロナ近郊電車の駅とは思えない。
11:41、バルセロナ・サンツ駅に到着した。国境からずいぶんゆっくりと来すぎてしまった……。
サグラダファミリアを見学する
バルセロナの観光の目玉といえばアントニ・ガウディの建築である。私自身は建築のことはよく分からないので、「なんかすごい」という適当な感覚で見ているのをご承知いただきたい。
聖家族贖罪教会(Temple Expiatori de la Sagrada Família)、通称サグラダファミリアは、ガウディノ代表作であり、同時にバルセロナの象徴でもある。
もちろん外観も有名だが、内部も独特である。
室内は美しいステンドグラスに彩られている。
他に類を見ない建築様式は、一度見たら忘れられないように思う。
曲線的かつ有機的で、生き物のような奇妙さもある。
なお、1882年に着工し、2023年現在も未完成だが、一応2026年には完成する予定ではあるらしい。ただし、新型コロナウイルスの影響で工事はかなり遅れているとのことである。
カサミラとグエル公園を見学する
他にもガウディ建築を巡ることにする。
カサミラ(Casa Milà)は、その名の通り「ミラ邸」ということだが、住居にしてはあまりに独特すぎる外観をしている。
ちなみに内部は博物館として見学できるが、公式サイトによると現在も現役の賃貸住宅であり、70年以上もいる住人もいるのだという。
グエル公園(Parc Güell)もまたガウディの代表作である。
世界遺産に登録されており非常に評価の高い建築であるのはもちろんなのだが、一旅行者の視点で見ると奇妙な建築とオブジェに彩られた公園は、ちょっとB級スポット感を感じなくもない。
まあ、そのくらいの気楽さで楽しめばいいんじゃないかと思う。
つづく。