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twinrailの海外鉄道旅行記録

寝台特急ルシタニアでマドリードからリスボンへ行く 南欧縦断巡検 15-11

リスボンポルトガルの首都にして、大航海時代の起点となった街でもある。

そして、黄色い特徴的な路面電車の街でもある。

訪問日: 2016年2月13日

寝台特急ルシタニアでマドリードからリスボン

夜のマドリード・チャマルティン駅に到着した。

寝台特急ルシタニア号 332列車 リスボン行きに乗車する。一晩でスペインの首都マドリードと、ポルトガルの首都リスボンを結ぶ便利な寝台列車である。

列車はチャマルティン駅を21:50に発車する。広軌だからか妙に列車が平べったい。

今回は開放2段寝台に乗車する。他の乗客と相部屋になるが、なぜかほとんど中国人だった。やはり中国で寝台列車に慣れていると海外旅行でも使いやすいのだろうか?

列車はマドリードを出発して快適に走る。夜も更けてきて眠りに落ちる。

寝台特急の旅、終わり

気がつくと、車掌が乗客たちを起こしに回っていた。GPSで場所を確認するとスペインとポルトガルの国境の小さな駅だった(名前は失念した…)。

シェンゲン圏なのに国境審査なのか?と思い車掌に尋ねると、衝撃的なセリフが返ってきた。

「この先、運転見合わせのため代行バスになります」

深夜にもかかわらず叩き起こされた乗客たちが、田舎の小さな駅に集められた。中国人の他に韓国人や日本人も多かった。

しばらくしてぞろぞろと何台かの高速バスに詰め込まれた。これから5時間ほどかけてリスボンに向かうのだという。どうして快適な寝台列車の旅が"水曜どうでしょう"みたいなことになるんだろうか。

おまけに、高速バスで隣に座ったのは、声がデカいアメリカ人だった。深夜なのに「日本人ですか?マンガ大好きです!オススメのマンガ教えてください!」と話しかけてくる。スマホに入っていたポプテピピックを見せたら「Wow…」と絶句していた。もういいから早く寝てくれ。

翌朝、本来の目的地だったリスボンの駅に到着する。当然のごとく、乗客が一斉に払い戻し窓口に駆け込んだ。係員に詳細を尋ねると、これまた衝撃的なセリフが返ってきた。

「返金のためポルトガルの銀行口座が必要です、なければ銀行で作ってきてください」

面倒くさすぎて諦めた。

リスボン(リスボア)・サンタアポローニャ駅を見学する

そんなわけで初っ端からポルトガル、正確に言えばCP(ポルトガル鉄道)の印象は最悪なのだが、気を取り直してポルトガル観光を楽しむことにする。

リスボア・サンタアポローニャ駅は、リスボンの古い方のターミナル駅である。新しいオリエンテ駅という巨大なターミナルもあるのだが、こちらはのんびりとした雰囲気が漂っている。

今回の旅行ではポルトガル鉄道の長距離列車には乗らないので、写真だけでも記録しておこう。

リスボン路面電車を撮る

リスボンといえば黄色い路面電車が特徴である。もちろん新型の連接車も走っているのだが……。

やはりこちらの旧型の車両のほうがリスボンらしい風情がある。

リスボンの歴史的な市街地の中を走る路面電車は、ヨーロッパの路面電車の中でも一番のお気に入りかもしれない。

路線はリスボン市内に張り巡らされており、観光にも十分使える、便利な交通手段である。

リスボンの観光名所を巡る

リスボンの近郊列車カスカイス線に乗ってベレン駅で下車する。

テージョ川にかかる4月25日橋(カーネーション革命が起きた日である)。

発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)。1960年に作成された記念碑である。

世界遺産ベレンの塔(Torre de Belém)。16世紀に建設された要塞である。

明日はいよいよユーラシア大陸最西端・ロカ岬に向かう。

つづく。