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twinrailの海外鉄道旅行記録

地中海沿岸を走る鉄道に乗ってモナコに入国する 西欧周遊巡検 10-17

イタリアのジェノバからフランスのニースを結ぶ路線は、車窓に地中海の絶景が広がる。

世界最小級の国、モナコにも立ち寄った。

訪問日: 2015年3月9日

高速列車でローマからジェノバ

ローマ・テルミニ駅から高速列車フレッチャビアンカに乗車する。

9764列車トリノ行きは06:57に出発する。

月曜朝の下り列車ということもあって空いていた。ヨーロッパ式の向かい合せの高速列車の座席はあまり好きではないのだが、空いていると快適でいい。

車販で朝食セットが売っていたので購入した。ドーナツとクロワッサン、オレンジジュースとコーヒーがつく。

ジェノバが近づいてくると、列車は地中海に沿って走る。

高速列車と言いつつも走っているのは在来線であるようだ。

高速列車と言いつつも、在来特急に乗っているようなゆったりとした旅情がある。

11:56にジェノバ・ピアッツァプリンチペ駅に到着した。ローマから5時間という長い旅であった。列車はこのあとトリノまで向かうらしい。

ジェノバ・ピアッツァプリンチペ駅の外に出て昼食にする。

普通列車に乗って隣のジェノバ・ブリグノールへ移動する。

数分でジェノバ・ブリグノール駅に到着する。

ブリグノール駅はピアッツァプリンチペ駅と並ぶ、ジェノバターミナル駅である。

普通列車ジェノバからフランス国境へ

普通 11278列車、ヴェンティミーリア行きに乗車する。ジェノバ・ブリグノール12:52を出発する。

全席クロスシートのローカル列車で快適である。

基本的にほぼ全区間で海沿いを走る。

地中海を眺めながらゆっくりと列車は走っていく。

フランスとの国境に近いベンティミーリア駅に16:07に到着した。

フランス鉄道でモナコに入国する

ここからは鉄道会社もトレニタリアからフランス鉄道(SNCF)に変わる。TER81128列車のカンヌ行き、ベンティミーリアを16:18に発車する。

列車は田舎のローカル線から一変、地下駅に停車する。

フランスではなく、世界最小級の都市国家モナコ公国の領土に入った。ここはモナコ唯一の駅・モンテカルロ駅である。

イタリアからニースやカンヌへ至る路線のうち、この一駅だけがモナコに属している。ただし、フランス鉄道が運行しているので、駅の雰囲気はフランスと全く変わりない。

駅の外に出る。モナコは山と海に挟まれたリゾート地である。綺麗な街並みが広がる一方、建物は山にへばりつくように建っている。

モナコの鉄道はたった一駅しかないが、路線バスはいくつか走っている。

一国のバス路線図がこれだけに収まっている。山がちなモナコでは必須の公共交通だろう。

さて、モナコの印象だが、山が切り立ち美しい海があり、そして駅が山に挟まれているということもあり、端的に言えば「熱海」がずっと思い浮かんで仕方ない。モナコは熱海である。

熱海なのでいいリゾート地なのだが、残念ながらお金がないとあまり楽しめない土地でもありそうだった。

普通列車モナコからニースへ

わずか1時間ほどの滞在でモンテカルロ駅に戻ってきた。お金のない大学生にはあまり縁のない国であった。

TERの81132列車、17:39発カンヌ行きに乗る。

18:03にニースに到着した。

ニース・ビル駅はニースのターミナル駅である。

プロバンス鉄道の駅には単行の気動車が停車していた。地方私鉄感があっていい。

近代的な車両もある。

せっかくなのでニースにある私鉄、プロバンス鉄道の始発駅にも寄ってみた。「JR新宿駅」と「西武新宿駅」みたいな関係の位置にある。

夜行列車でニースからパリへ

フランス鉄道(SNCF)のニース・ビル駅に戻ってきた。ここから夜行列車に乗ってパリへ向かう。

夜行都市間列車(アンテルシテ・ド・ニュイ)の5774列車、パリ・オステルリッツ駅行きに乗車する。

ニース・ビル駅を20:00ちょうどに出発する。私はクシェット(3段6個人室寝台)を使った。車両はやや古く、JRの廃止間際のブルートレインのような雰囲気が残る。

翌朝、07:39にパリ・オステルリッツ駅に到着した。

ブリアンソンというイタリア国境に近いアルプスの山中の街からやってきた列車といつの間にか併結していたらしい。海のリゾートと山のリゾートの両方からやってきた寝台列車だった。

つづく。