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twinrailの海外鉄道旅行記録

北朝鮮に残されたアメリカの軍艦・プエブロ号を見る 朝鮮平壌南浦巡検 02-05

横浜の赤レンガ倉庫の近くに朝鮮の不審船が展示されているのをご存知だろうか?海上保安資料館横浜館という施設で、2001年に発生した九州南西海域工作船事件で沈没した不審船が展示されている。

それとはあまり関係ないが、平壌でもスパイ工作船として拿捕された船舶が展示されている。ただ、こちらはれっきとしたアメリカ海軍の軍艦・プエブロ号なのである。

訪問日: 2019年9月14日

プエブロ号とは何か?

プエブロ号が展示されている祖国解放戦争勝利記念館(조국해방전쟁승리기념관)は、3年半前(2016年3月)の旅行でも訪れており、今回は2回目の訪問になる。

改めて、簡単にプエブロ号事件の概略を記しておこう。

1968年1月23日、日本海朝鮮半島元山沖で諜報活動を行っていたアメリカ海軍の軍艦プエブロ号が、領海侵犯を理由に朝鮮側から警告を受けた。同船は回避を図るも、攻撃を受け停止させられ、船体と乗組員は朝鮮に捕獲された。

その後、アメリカ側は諜報活動を行っていたことを公式に認め謝罪し、1968年12月に乗組員が釈放された。一方で、船体は元山から平壌に輸送され、祖国解放戦争勝利記念館で展示されることになった。

より詳しい話は前回の記事を参照いただきたい。

 

プエブロ号を見学する

祖国解放戦争勝利記念館を訪問するのは2回目になる。

 

前回から季節が半分回った。観光客も増え、庭も綺麗になった気がする。

 

こちらがアメリカ海軍の軍艦・プエブロ号である。

 

後ろから見たところ。

 

プエブロ号の乗組員が捕まった写真などが展示されている。

 

ちなみにこの船が繋留されているのは普通江(보통강)という文字通りごく普通の川であり。周囲では釣りをする人の姿が見え、のどかな風景が広がっている。

 

船の内部。

 

事件に関わる写真や文章などが展示されている。

 

船室の様子。

 

朝鮮側とアメリカ側の船の動き。

 

船員のIDカードや船内の機密文書など。

 

軍艦旗や盾など。

 

ちなみに前回と同様、船内で「アメリカ帝国主義侵略者軍の武装情報収集艦プエブロ号」というタイトルのプロパガンダのDVDが上映される。朝鮮中央放送のニュースのようなガンギマった口調のナレーションでドキュメンタリーが流れた後、エンディングで「プエブロ号はアメリカ帝国帝国主義朝鮮人民に犯した侵略の罪を世紀を継いで告発するでしょう……」というセリフで締められる。

我々はこのあとどうすべきかを完全に理解して全員で盛大に拍手をしたら、ガイドから「このDVDで拍手した日本人は貴方たちが初めてです」と逆にドン引きされた。えぇ……。

 

朝鮮戦争の南側兵器

ちなみに今回は祖国解放戦争勝利記念館の内部はざっと見ただけであった。代わりに屋外展示されている朝鮮戦争で使用された兵器を見ていこう。ちなみに筆者は兵器は全く詳しくないので誤りがあったら適宜コメントいただきたい。

 

韓国軍のトヨタのトラック。朝鮮側では南朝鮮傀儡軍(남조선괴뢰군)と呼んでいる。

 

アメリカ軍のM4A1中戦車(シャーマン)。朝鮮側では米帝侵略軍(미제침략군)と呼んでいる。

 

アメリカ軍のM24軽戦車(チャーフィー)。

 

 

アメリカ軍のAD2攻撃機(スカイレイダー)。

 

アメリカ軍のF9F5戦闘機(パンサー)。

 

アメリカ軍のB26爆撃機(マローダー)。

 

アメリカ軍のOH23Dヘリコプター(レイヴン)。

 

朝鮮戦争の北側兵器

もちろん南側だけでなく北側の兵器もある。ボロボロで展示されている南側の兵器と違って、北側の兵器は丁寧に手入れされているようだ。

 

民青号自動砲SU76(민청호자동포СУ76)。ソビエト連邦自走砲である。民青は「朝鮮民主青年同盟」の略称である。

 

T34/76戦車(Т34/76)。同じくソビエト連邦の中戦車。

 

T34/85戦車(Т34/85)。

 

LA9追撃機(ЛА9추격기)。ソビエト連邦の戦闘機。

 

 

YaK9P追撃機(ЯК9П추격기)。

 

MIG15追撃機(МИГ15 추격기)。北側の主力となったジェット戦闘機である。

 

このあたりで昼食の時間になった。次回は世界に名だたるあの料理が登場する。

つづく。