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twinrailの海外鉄道旅行記録

北朝鮮の高級ホテル・高麗ホテルに泊まる 朝鮮平壌開城巡検 01-05

今回平壌で泊まったのは、朝鮮でも最上級の高麗ホテルである。

朝鮮の「五つ星」ホテルは、一体どんなものなのだろうか?

訪問日: 2016年3月8日

「国交が回復したかと思った」

さて、本来ならば、夕方に列車で平壌駅に到着した観光客は、基本的にはホテルで夕食になる。しかし今回は列車が大幅に遅延したので、別のレストランに行くことになった。

平壌駅から大型の観光バスに乗り、ガイドが挨拶する。

今回のガイドは3名、朝鮮国際旅行社(조선국제려행사)の金錦淑(김금숙)氏、金泰慶(김태경)氏、呂賢美(로현미)氏であった。本来ガイドは2人添乗するらしいが、今回は34人と多いため3人になったそうだ。

ガイドからの挨拶が始まる。開口一番に「日本から34人も一度に来るなんて10年ぶりです。知らぬ間に国交が回復したかと思いました。」と言われた。

今度は1000人ぐらい連れていけば、本当に国交が回復するだろうか。

 

朝鮮の料理はうまい

レストランに到着した。朝鮮で食べる初めての料理である。急な予定変更のためだろうか、ビビンバ、水餃子、キムチ……と割とベーシックな料理だったが、とても美味しかった。これは先に言っておくと、朝鮮旅行で食べる食事はとにかく美味しいのである。

夕食を終えてホテルに向かう。外国人観光客が平壌で泊まるホテルは、基本的に2つに限られる。大同江の中洲にある羊角島国際ホテル(양각도국제호텔)と、今回泊まる高麗ホテル(고려호텔)である。

 

平壌の夜に駆ける

今回この高麗ホテルここがあてがわれたのはどうしてだろうか?それは平壌駅の目の前にあり鉄道マニアには絶好のロケーションだからである。そういうことをガイドも事前に聞かされていたのだろうか、夜の平壌駅前に連れて行ってくれた。

 

夜の平壌駅前。人通りも少ない。

 

夜を駆けるトロリーバス

ところで34人のメンバーのうち、半分以上が鉄道マニアである。この光景を目にした彼らは、路面電車やバスを見るやデカいカメラを振り回しながら走り回っていた。この光景を見てガイドも「あっなんかそういう団体なんだな」と理解していたようである。

 

高麗ホテルを探索する

前置きが長くなってしまったが、いよいよホテルの話をする。高麗ホテルは1985年に開業した、45階建てのツインタワーのホテルである。

 

玄関を入ると大きなロビーがある。やや古めのシティホテルといった趣がある。

 

部屋に入る。基本的にほとんどツインルームのようである。やや古めのシティホテルとしか本当に言いようがないのだが、逆に言えばわりと馴染みのある空間だ。

 

バスルームを見学する。もう完全に日本のホテルのユニットバスにそのままそっくりである。あまりにも見慣れた光景に、全く異国情緒を感じることがない。

 

洗面所のアメニティ。正直、シャンプー類はあまり質がよくなかった……。

 

冷蔵庫。三洋製だが、ずいぶんとレトロなタイプだ。開業当初からずっと使っているのだろうか?

ちなみに上のペットボトルウォーターはどう見ても無料にしか見えないのだが、持っていったら翌日しっかり請求が来た。えぇ……。

 

高麗ホテルのうわさ

ところで、都市伝説として「高麗ホテルの部屋の鏡はマジックミラーになっている」というものがある。確かに部屋の壁に異常なほど大きい鏡がついているのである。

だが、これは実際に検証した身として明確に嘘だと言える。そもそもマジックミラーの原理上、ホテルのように自分の空間を暗くできる場合には成り立たない。また、強い光を当てることでも見分けられるが、明らかに普通の鏡であった。鏡は大きいほうが部屋が広くみえるのでいいのかもしれない。

一方で、「高麗ホテルの部屋には盗聴器がついている」という都市伝説もある。しかし、こちらに関しては嘘とも真実ともいえない。もしかしたら要人が宿泊している時にはそのようなことをしているかもしれない。だが、一介の観光客が泊まっている部屋まで一言一句盗聴しているということは、おそらくありえない。安心してしょうもない会話をしてほしい。

 

高麗ホテルの朝食ビュッフェ

平壌の朝を迎えた。せっかく平壌駅側の部屋になったのだが、タワーマンションが存在し線路がよく見えない。ただ、いくつかの車両や扇形の機関庫は確認できる。

 

高麗ホテルの朝食会場にやってきた。

 

ビュッフェスタイルの見慣れた方式である。品数も多くて美味しいし満足した。

 

テーブルにもおつまみ的に料理が並べられていた。

 

なおガイドによると、コーヒーだけは別料金だそうである。無料だと思っていた利用客からの苦情が絶えないらしい。部屋のミネラルウォーターといい、コーヒーといい、微妙なところが別料金なのはなんなのだろうか……。

 

いよいよホテルを出発する。最初の行き先は韓国との境界・板門店である。

つづく。