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twinrailの海外鉄道旅行記録

香港と中国・広州を結ぶ九広通(Ktt)に乗る ベトナム香港巡検 18-01

かつて、香港と中国を結ぶ日本製の2階建て在来線特急が走っていた。

九広通(Ktt)乗車レポート。

訪問日: 2016年12月2日

香港エクスプレスで香港へ飛ぶ

旅は羽田空港から始まる。香港エクスプレスUO623便、23:55発に搭乗する。

機材はLCCによくあるA320だった。

機材の名前が「手羽先」だった。なんで?

(※香港エクスプレスは他にも就航地の名物料理の名前を機体につけているらしく、「焼売」「讃岐うどん」と名付けられた機材もあるらしい。)

5時間のフライトを経て、香港空港に04:00に到着する。ほとんど空飛ぶ夜行バスみたいな行程である。

香港空港からは空港バスA21系統に乗車して、中心部にある紅磡駅へ向かう。

早朝のネイザンロードは人通りも少ない。

九広通(Ktt)で香港から広州へ

広州や上海、北京への直通列車のターミナルである紅磡駅に到着した。

直達Z824列車、広州東行きに乗車する。

香港〜広州の直通列車は、中国鉄道が運行する列車(1階建て)と、香港MTRが運行する九広通(Ktt)という列車(2階建て)の2種類がある。

案内パネルでもどちらの車両か表示しているようである。

国鉄道(中国鉄路)のカウンターもあった。簡体字の「中国铁路」ではなく繁体字の「中國鐵路」と書いてあるのが目新しい。

香港の出境審査を終えて、待合室で出発を待つ。

列車への乗車が始まる。紅磡駅は地下駅なので列車の写真を撮りづらいのが難点だが……。

紅磡を08:15に出発する。

車内には電光掲示板や液晶パネルが設置されている。

座席は2+2列の4列シートである。香港人や中国人の他に、欧米系などの外国人も乗車していた。

車内の雰囲気は日本の在来線特急に近い。それもそのはずで、車体は近畿車輌が製造している。

香港と中国の境界にあたる羅湖を通過する。スマホの電波が切り替わり、通話を始める中国人客もいた。

およそ2時間弱で、終点の広州東に10:12に到着する。

ところで、この香港〜広州を結ぶ列車はもう一つ「広深港高速鉄道」が2018年に香港西九竜〜広州南間に開通している。その後もこの香港紅磡〜広州東を結ぶ九広通ほか在来線列車は運行を続けていた。

しかし、2020年以降は新型コロナウイルスの影響で、高速鉄道・在来線ともに運転を休止してしまった。2023年現在、高速鉄道の方は運転を再開しているが、在来線の列車は未だに再開の見込みがない。いつか復活するのだろうか?

地下鉄で広州東駅から広州南駅へ

広州東駅からは、広州地下鉄に乗って広州南駅へ移動する。

広州地下鉄1号線に乗車する。

至ってごく普通のキレイな車両だった。

公園前駅で2号線に乗り換える。

広州南駅へ到着した。広州東駅から19駅、およそ1時間の移動だった。首都圏でいえば大宮から横浜まで移動しているようなイメージだと思う。ターミナル駅が遠すぎる……。

中国高速鉄道で広州から柳州へ

広州南駅に到着した時点で11時半ごろだった。高速鉄道の発車まで1時間以上あるから大丈夫だと安心していたら思わぬ罠が待ち受けていた。きっぷ売り場の窓口の列がメチャクチャ長すぎる!

しかも50分近く並んで、もう少しで自分の番が回ってくるというところで、なんと唐突に「休憩です」と言って窓口が閉じられてしまった。幸い、隣の窓口がすぐに開いたが、ブチギレそうになってしまった。

気づけば発車まで残り十数分となった。日本の新幹線の駅ならば余裕であるが、ここは中国である。列車に乗るのにも保安検査を受けなければならない。

しかも、広州南駅は中国最大級の駅である。きっぷ売り場からホームまでもとにかく長い!羽田空港でチェックインが終わったのが出発時刻の十数分前だったと想像してみてほしい。そんな感じである。

まあなんとか出発には間に合った。なお、現在は中国鉄道はEチケットに移行しているので、窓口に並ぶ必要はなくなった。本当にありがたい。

ホームに降りる。中国最大級の駅だけあってとにかくデカい。

列車に乗車する。

南広線のD3756列車、柳州行きに乗車する。広州南を12:41に出発する。車両は日本のE2系ベースのCRH2系である。

そういえば窓口の長蛇の列のせいで昼ご飯を食べていない。車内販売の弁当を注文したら50元(約900円)と中国にしてはずいぶん高かったのだが、実際に出てきたものを見たらやたらにデカい。成分表示を見たら1kgと書いてあった。部活の男子高校生か?(ふつうに残した。)

広州と広西チワン族自治区の南寧を結ぶ南広線は、とにかく景色がすばらしい。

カルスト地形が高速列車の車窓からも見え、仙郷のような大地を走る。

4時間ほどで、終点の柳州に16:44に到着した。

柳州は広西チワン族自治区の地方都市である。

柳州駅も、中国の高速鉄道によくある郊外のクソ広い駅ではなく、昔ながらの中心部にある在来線の駅だった。それにしても、駅前広場すらないのは、中国だと相当珍しい。

広州南駅の反省を踏まえて、明日のきっぷを受け取ることにした。並んでいることは並んでいるが、さっきよりも列が短くて助かった…。

明日は柳州で列車を撮影する。

つづく。