ベトナムの首都ハノイから世界遺産で有名にハロンに至る列車に、旧満鉄の車両が残っている(ただし2023年現在おそらく運休中)。
同行者と共に乗車と撮影を行ってきた。
訪問日: 2016年12月4日
ケプ駅からハロン行き列車に乗車する
ハノイから旅行社の自動車に乗ってケプ(Kép)駅に来た。
路線の分岐駅と言うだけで、特に大きな街があるわけでもない。
駅前でニワトリがエサをついばんでいる。農村ど真ん中である。
ホームには、これから列車に乗って行商に行く農家が待機していた。
ハノイ・イェンビェン(Yên Viên)駅始発の51501列車がやってきた。この列車でハロンへと向かう。
ハロン方面への線路は逆方向に分岐するため、機関車の付け替えを行う。
D14E形ディーゼル機関車が牽引する。
こちらが元満鉄(南満洲鉄道)の客車である。
ちなみにベトナム鉄道は基本的に狭軌(1000mm)だが、ハノイ〜ケプ〜ドンダン(〜中国)のドンダン線は標準軌(1435mm)との三線軌条、ケプ〜ハロンのハロン線は標準軌(1435mm)のみとなっているようである。
列車番号は51501と51502が付与されている。ハノイのイェンビェン駅とハロン駅を一日1往復している。
荷物車に農産物が積み込まれていく。
さらに貨車も連結する。
ドンダン・中国方面への貨物列車が通過していった。
ケプ・ハロン線に乗車する
列車はケプ駅を07:43に発車した。
車内に掲示された51501/51502列車の時刻表。イェンビェンの始発時刻は04:55と朝早い。
こちらが51501列車のチケットである。
一般客向けの車内の様子。正直なところ、窓が小さいうえに鎧戸が下げられてため、外の様子がわからないし空気がこもって暑い。座席も木製なので相当にしんどい。ちなみに終点まで4時間以上もある。
行商人向け車両は座席もなかった。ただ、荷物の整理をしたり野菜のヘタを取ったりと色々な仕事をしているので、座席がない方がむしろ都合がいいのだと思う。
途中の駅からも農産物を積み込んでいく。
沿線の風景はごくふつうのベトナムの農村が広がっている。
途中かなりの数の駅に停車する。
その度にたくさんの農産物が積み込まれていく。
ハロン駅に到着する
ケプ駅から4時間半、12:12に終点のハロン駅に到着した。すごく疲れた。もう乗らない。
ハロン駅は大きくて新しい。ローカル列車が一日1往復しか来ないとは思えないほどである。
ちなみに世界遺産の観光地として有名なハロン湾はここから4-5kmほどでありさほど遠くはないのだが、いかんせん列車もダイヤも悪すぎる。
ハノイから観光列車とか走らせてくれればいいのに……。
ハロン駅構内では産地直送の野菜市場が開かれていた。
ハロン駅を後にする。今度来る時はふつうにハロン湾を観光しに行きたいと思う。
車で折返しの列車を撮影しに行く
帰路はガイドの案内で自動車に乗りながら、折り返しの51502列車を撮影する。いわゆる"追っかけ"をやっていく。
ちなみに車掌にはしっかりと顔を覚えられており、沿線で撮影するたびに苦笑いを向けられていた。
ハロン近郊では家の軒先を走っていく箇所もある。
ダイヤモンドクロスの踏切を見学する
標準軌(1435mm)のハロン線と、狭軌(1000mm)の線路が交叉するダイヤモンドクロスが、ウオンビー(Uông Bí)市内のバンコー(Bàn Cờ)駅付近に存在している。
ダイヤモンドクロスを列車が通過していった。
踏切には駅員が立っていた。一日1往復の旅客列車のために働いている人もいる。
その他にも沿線の何箇所かで列車を撮影した。
なお、2023年現在、ハロン線の列車はベトナム鉄道の時刻表にない。おそらく運休しているものと思われる。
つづく。