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twinrailの海外鉄道旅行記録

氷河急行の車窓からアルプスの絶景を眺める ドイツスイス巡検 03-05

スイスの「氷河急行」(Glacier Express)は、車窓からアルプスの絶景が眺められる観光列車として日本人にも大人気である。

ブリークからサンモリッツまで乗ってみたときの記録。

訪問日: 2012年9月1日

グリンデルヴァルトからブリークへ

朝、グリンデルヴァルトのホテルを出る。

 

まずはベルナーオーバーラント鉄道グリンデルヴァルト(Grindelwald)駅からインターラーケン東(Interlaken Ost)駅まで下っていく。

 

インターラーケン東発09:29のスイス鉄道R6113列車でシュピーツ(Spiez)に移動する。シュピーツには09:50に到着する。

 

シュピーツを10:12に出発し、RE3269でブリーク(Brig)へ向かう。この区間は2007年に開業した長さ34.6kmのレッチュベルク基底トンネル(Lötschberg-Basistunnel) を通る新線が通っている。一方で、1913年に開業した長さ14.6kmのレッチュベルクトンネル(Lötschbergtunnel)を通る旧線にも列車は走行している。

 

今回はこちらの旧線を通る列車に乗った。こちらの方がトンネルが短いため景色が楽しめるし、ループ線などもあって鉄道オタクとしてもおもしろい。

 

11:24にブリークに到着する。

ここでスイス鉄道からマッターホルンゴッタルド鉄道(Matterhorn-Gotthard-Bahn、MGB)に乗り換えとなる。

 

ブリーク駅はスイス鉄道(SBB)の駅とMGBの駅が分かれている。スイス鉄道の方にはりっぱな駅舎がある。

 

 

一方でMGBの駅はスイス鉄道の駅舎の前に小さなものがあるだけでホームも低く、軌道と道路の境目も曖昧である。最初は路面電車かと思ったほどだった。

 

氷河急行に乗車する

ブリーク駅に氷河急行が入線してきた。

 

ちなみに氷河急行は1日1往復ではなく、繁忙期には増発される。発車案内を見ての通り、同時間帯に続行で運転されていた。私は後続の11:37発に乗った。

 

氷河急行からの車窓は少々曇っているが、アルプスの草原と山並みが大きな窓から見られて眺めがいい。

 

アンデルマット(Andermatt)駅を出て、ループ線を走行しながら山を登っていく。しばらくするとさっき通ってきたアンデルマットの街並みが眼下に眺められるのでとてもおもしろい。

 

ディゼンティス/ムステル(Disentis/Mustér)駅に到着する。ここで鉄道会社がマッターホルンゴッタルド鉄道からレーティッシュ鉄道(Rhätische Bahn、RhB)に切り替わる。

 

クール(Chur)駅で長時間停車し、列車は方向を転換する。(氷河急行は写真左側の列車。)

 

全線にわたり車窓は草原と山並みが続く。

 

列車はレーティッシュ鉄道一番の絶景ポイントであるランドヴァッサー橋(Landwasserviadukt)を通過する。カーブを描いた石橋の上をゆっくりと走っていった。

 

18:10、氷河急行は終点のサンモリッツ(Sankt Moritz)駅に到着した。

 

6時間にわたってアルプスの絶景が間近に見られるうえ、ループ線や長大トンネル、石橋など鉄道オタクとしても興味深いポイントが多数あるすばらしい路線だった。

ちなみに、2022年現在の全線(ツェルマット~サンモリッツ)の運賃は152スイスフラン(約22000円)、繁忙期指定席特急料金は49スイスフラン(約7000円)である。メチャクチャ高いのだが、それだけの価値はあるのでぜひ乗車してほしいと思う。

 

サンモリッツからミュンヘン

翌朝、サンモリッツを出て日本へ戻る。

 

11:02発のレーティッシュ鉄道RE1136列車に乗ってクールへ向かう。

 

13:03にクールに到着し、13:22発のRE3826列車に乗り換える。

14:28にオーストリアとの国境にほど近いザンクトマルグレーテン(St. Margrethen)で下車する。ここで、14:42発のミュンヘン行きEC195に乗り換える。

この列車はザンクトマルグレーテンを出た後、ボーデン湖畔を通り、オーストリア領土内を抜けてすぐにドイツに入る。ちょっとだけオーストリアを通過したことになる。

列車はリンダウインゼル(Lindau-Insel)駅で方向転換する。リンダウインゼルは「リンダウ島」の意味であり、その名の通りボーデン湖上の島の中に駅がある。

 

列車はバイエルン南部を通り、17:28にミュンヘン中央駅(München Hauptbahnhof)に到着した。

5日間に渡るドイツとスイス(とちょっとだけオーストリア)の周遊旅行はこれで終了した。友人宅に戻ると疲れからかすぐに眠ってしまった。

 

ミュンヘンから日本へ

翌朝、ミュンヘンの友人宅を出て、ミュンヘン空港に行く。帰路はフィンエアーである。

ミュンヘン空港10:20発、ヘルシンキ空港13:45着のAY804便から、ヘルシンキ空港17:15発、成田空港08:55着のAY73便に乗り継いだ。

こうして私の初めての海外旅行は無事に終了した。スイスの物価の高さはやけに印象に残っているものの、それ以上にドイツとスイスの美しい風景と面白い鉄道が今でも記憶に残っている。

おわり。