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twinrailの海外鉄道旅行記録

TR-PASSを買って台湾のローカル線・内湾線に乗る 台湾半周巡検 04-01

私の初めての海外旅行は大学1年生の時のドイツ旅行だったが、初めての海外一人旅は2回めの海外旅行となる大学2年生の時の台湾旅行だった。

飛行機で台北に降り立った私が最初に向かったのは、気動車が走るローカル線・内湾線だった。

訪問日: 2013年9月15日

TR-PASSとは

当時大学の第二外国語として中国語を学んでいた私は、実際に中国語を喋りたくなり台湾行きを決めた。もちろんメインの目的は鉄道旅行である。

欧州でいうユーレイルパスのようなものがないかと調べていたら、「TR-PASS」というものを見つけた。台湾鉄道(交通部台湾鉄路管理局)が乗り放題というチケットである。

一般用と学生用があり、一般用でも5日間乗り放題で2500台湾元(約11000円)と破格である。

外国人学生用はなんと5日間乗り放題で599台湾元(約2600円)とさらに安い。10日乗り放題だと1098台湾元(約4800円)である。一日たったの480円で台湾鉄道が乗り放題という夢のようなきっぷなのだ。

ただし、一般用は自強号(特急に相当)にも乗れるが、学生用はそれには乗れず、莒光号(急行に相当)や区間車(普通に相当)などにしか乗れないという違いがある。要するに台湾版の青春18きっぷというところであるが、それにしても驚くほど安い。

TR-PASSは台湾鉄道の大きめの駅ならば窓口で購入できる。発売駅は上記の公式サイトに記載されている。

ちなみにデメリットとしては、一般用は事前に座席指定ができず、窓口に行って指定する必要がある。学生版は一切座席指定ができない。旅行の目的によってTR-PASSと通常のチケットを使い分けたほうがいいかもしれない。

台湾鉄道の時刻表

時刻表は台湾鉄道公式サイトでも見られるが、恐ろしく見づらい。日本の時刻表に慣れている人なら有志が作成している非公式時刻表のほうが見やすいと思う。

スクートで成田から台北

さて、旅の準備もできたところで出発である。

 

今回の旅行は成田空港から出発する。当時は成田空港の第2ターミナルにはサテライト行きのシャトル交通が存在していた。乗車したのが2013年9月15日だったが、同年9月27日には廃止されてしまったらしい。さよなら乗車ができてよかった。

 

スクートのTZ201便で飛び立つ。成田空港12:10離陸、台湾桃園空港14:20着陸という旅程だ。2022年現在はTR899便という名前でほぼ同時間帯に飛んでいる。

 

座席の様子。早めにチェックインしたらアップグレードしてもらえた。ちなみにスクートはシンガポールの航空会社であるが、この便自体も桃園から機材を変えてシンガポールチャンギに行く経由便である。

 

桃園空港に着陸する。ここでも成田空港と同じくシャトルに乗って移動する。

 

連絡バスと高速鉄道で桃園空港から台北

桃園空港からは705系統のバスに乗って高速鉄道(高鉄)の桃園駅に移動する。現在は桃園地下鉄がこの区間を結んでいるが、当時はバスによる接続だった。地下鉄開通後はこの系統も廃止された模様である。

 

高鉄桃園駅に到着する。ちなみに高鉄のホームは地下にあり、写真に見えるのは当時は建設中だった桃園地下鉄である。

 

ここから高鉄に乗って台北へ行く。

桃園空港~台北間は、当時は桃園地下鉄が開業していなかったとはいえ、リムジンバスが頻発していた。また、桃園空港~高鉄桃園駅のバスの利用者はほとんどが高雄方面に向かう乗客のはずである。要するに、桃園から台北に行くためにわざわざバスと高鉄を乗り継ぐ必要は、本来は全くない。

 

だがそれでもわざわざ高鉄を選んだのはこれに乗りたかったからだ。東海道山陽新幹線700系とほぼ同じ車両に乗れるのである。台湾では700T系と呼ばれている。

 

車内もほとんど東海道山陽新幹線と同じ雰囲気だった。

 

台北駅に到着した。ここでTR-PASSを購入する。

夕暮れになってきたので、夕食を食べてホテルに向かう。台北駅前のインキューブ(品格子旅店北車館)というカプセルホテルのようなところに泊まった。

 

気動車が走るローカル線・内湾線に乗って内湾へ

翌日朝、台北駅から出発する。

 

台北駅の吹き抜けはとにかく大きい。

 

台北09:05発の西部幹線区間車1141列車に乗り、新竹に10:36に到着する。車両はEMU700系であった。

 

新竹から10:47発の内湾線区間車1724列車に乗る。列車は六家行きだが、途中の竹中で11:01に降りる。車両はEMU600系である。

 

竹中で内湾線区間車1814列車に乗り換え、11:10に出発する。この区間日本車輌気動車DRC1000系が走っている。

 

内湾の街を歩く

11:52、内湾(內灣)駅に到着した。すっかり山の中に入り、青空が気持ちいい。

 

内湾駅舎も南国風情に溢れている。

 

駅周辺は内湾老街という町になっており、ショップやレストランが立ち並んでいる。

 

駅から少し離れれば油羅渓という川が流れており、吊り橋がかかっている。

 

特別な見どころは特にないが、のどかでよい街である。気動車に揺られて来るローカル線の旅の終点にふさわしいかもしれない。一通り歩き終えた後、魯肉飯の昼食を食べて駅に戻った。

 

区間車で内湾から苗栗へ

来た道を引き返す列車に乗る。内湾線区間車1817列車は13:05に出発した。車両も往路と同じくDRC1000系である。

 

ちなみに先頭は前方の車窓が見られる特等席である。眺めがよくて最高だった。

 

13:45に竹中に到着し、13:52発の内湾線区間車1735列車に乗り換える。同じく往路と同じEMU600系だ。

 

新竹に14:07に到着する。駅舎はバロックとゴシックを織り交ぜた建築で、東京駅とも姉妹提携しているらしい。ここで14:36発の西部幹線区間車1193列車に乗り、苗栗駅に15:09に着く。

 

苗栗鉄道文物展示館を見学する

苗栗で降りた目的はこの苗栗鉄道文物展示館(苗栗鐵道文物展示館)である。台湾鉄道の車両が多く保存されている。なお、2022年現在は改装中らしい。

 

阿里山森林鉄道28号蒸気機関車

 

阿里山森林鉄道SPC2号客車。日本車輌製である。

 

台湾糖業鉄道331号蒸気機関車

 

台湾糖業鉄道254号ガソリン車。

 

阿里山森林鉄道11403-5号ディーゼル機関車三菱重工製である。

 

阿里山森林鉄道11403-1号ディーゼル機関車。同じく三菱重工製である。

 

台湾鉄道S400系ディーゼル機関車S405号機。

 

台湾鉄道R0系ディーゼル機関車R6号機。日立製である。

 

台湾鉄道DT560系蒸気機関車DT561号機。日本の9600形と同型式である。

 

台湾鉄道CT150系蒸気機関車CT152号機。汽車製造製で、日本の8620形と同型式である。

 

区間車で苗栗から台中へ

苗栗15:49発の西部幹線区間車2171列車に乗る。EMU500系である。

 

台中に16:44に到着する。写真に見える駅舎は2013年当時は現役で使用されていた。しかし、2016年に高架化され新駅舎に移転し、現在は史跡となっているようである。

 

台中の逢甲夜市で食べ歩く

駅前のバトラーホテル(中欣商務精品飯店)にチェックインする。

 

ホテルからの眺めが大変いい。

 

台中はこれといった観光地が少ないのであるが、逢甲夜市は別格で有名である。台北や高雄の夜市を抜いて、台湾最大の夜市なのだ。

とはいえ台中駅からは6kmぐらい離れている。路線バスで移動した。

 

夜市はとにかく活気にあふれている。屋台という屋台が立ち並び、ここで食べられないものはないのではないかという勢いだ。食べ歩きが捗りすぎてしまう。

 

売っているものは食べ物だけではない。雑貨や服飾品の店もたくさん並んでいる。台湾の夜の楽しさが一挙に詰まったような空間だった。

 

ところで台湾の屋台料理に臭豆腐というものがある。美味しいことは美味しいらしいのだが、ものすごく臭く下水のような臭いがする。臭豆腐の屋台があると遠くからでも臭いでわかるレベルである。

夜市でたらふく食べた後、帰りのバスに乗っていたら、途中のバス停から臭豆腐を持った客が乗車してきた。バス中が下水の臭いで満たされたのは言うまでもない。

つづく。