ライン川はコブレンツから上流南方が「ライン渓谷中流上部」という世界遺産に指定されている。
ライン川右岸線のローカル列車に乗って車窓を眺めてきた。
訪問日: 2015年2月26日
ICEに乗ってアムステルダムからケルンへ
アムステルダム中央駅からオランダ鉄道のICE105列車に乗車する。ちなみにこの列車はスイスのバーゼル行きなので、オランダ・ドイツ・スイスの3カ国にまたがるらしい。亜アムステルダムを08:05に出発する。
今回は2等車に乗車した。見ての通り、日本の新幹線とは座席がかなり異なり、2+2列シートで、座席は回転せず、たまに向かい合わせの席があって大きなテーブルがある。
10:45にケルン中央に到着し、下車する。ホームでドイツ鉄道のICEと増結作業を行っていた。
ケルン大聖堂と列車を撮影する
古都ケルンの中央駅の駅舎は意外とモダンな建築だった。
ケルンといえばケルン大聖堂で有名だが、これは本当に駅の目の前にある。ケルン中央駅が市街地のど真ん中にあるのがもともと欧州では珍しいのだが、ここまでターミナル駅に近い名所もそうそうないと思う。
ケルン大聖堂の中を見学する。尖塔は高さ157mもあり、1880年の完成時は世界で一番高い建築物だったという。
先ほども書いたとおり、ケルン大聖堂はケルン中央駅の真横にある。逆に、ケルン大聖堂をバックに列車を撮ることもできる。
さらに、ケルンの列車撮影スポットはこれだけではない。
撮影ポイントの真裏には、ホーエンツォレルン橋がライン川に掛かっている。
ホーエンツォレルン橋を渡ってくる列車。
ケルン中央駅から出発する列車も撮影できる。
普通列車でケルンからコブレンツへ
ケルン中央駅に戻ってきた。
普通列車(RB)のコブレンツ中央行きに乗車する。全車両2階建てだった。
コブレンツ中央駅に到着する。ドイツ鉄道(DB)の車両に混じって、私鉄のトランスレギオの車両がいた。
ミッテルライン鉄道というブランド名でケルンからマインツまでを運行しているようである。
ライン川右岸鉄道でコブレンツからフランクフルトへ
今回はVIASが運行するフランクフルト中央行きの普通列車(RB)に乗車する。コブレンツ中央駅を14:54に出発する。
コブレンツからライン川に沿って上流のマインツに至る路線は2本あり、それぞれ左岸線・右岸線と呼ばれている。
ICなどの特急列車が主に走るのは左岸線であるようだが、普通列車は左岸線・右岸線ともに走っている。上記のミッテルライン鉄道は左岸線を、VIASは右岸線を走るようである。
車両はシュタッドラーのFLIRTだった。欧州でよく見る新しめのローカル線車両である。
コブレンツ中央駅を出発して、車窓右手にライン川を眺めながら走っていく。
丘の上の古城を眺めながら列車は走っていく。
対岸は意外と近く、左岸線沿線の街を間近に見ることができる。
渓谷には多くの古城が立ち並んでいる。
駅の目の前にもライン川が流れる。
一応、古城と渓谷美を楽しむ車窓なのだが、乗り物好きとしては舟運が盛んなことに気付かされる。
急流が多い日本の河川とは違って、ライン川はかなり内陸部まで大型の船舶が航行できる。列車に乗っている間もひっきりなしに貨物船が往来していくのが見えた。
ビンゲンを過ぎるとライン川の渓谷は終わり、ごく普通の車窓になる。
マインツを抜け、終点のフランクフルト中央駅に17:05に到着した。
ドイツ有数のターミナル駅であるフランクフルト中央駅は駅舎も立派だった。
ドイツの警察のお世話になる
……ここからは全くの余談なのだが、フランクフルト中央駅前は治安が悪い。
特に私が予約したホステルがある駅の東側は風俗店が立ち並んでおり、街の雰囲気もあまりよくない。
ホステルにチェックインしてロビーでくつろいでいると、もうひとり日本人の若い男性がチェックインしていることに気がついた。軽くあいさつをして「何かあったらお知らせください」と言葉を交わして別れた。
数十分後、彼は「iPhoneをスラれました……」と知らせてきた。こんなに滑らかにフラグを回収することもなかなか無いだろう。
ホステルを通じて警察に通報し、警察官に来てもらった。警察官は英語が話せるようだったが、スラれた彼はあまり得意ではないようだったので、私は通訳サポートとして付き添うことにした。その後は実況見分をしたり、パトカーで警察署に行って調書を書いたりした。
調書を書き終えると、警察官は「せっかくなので記念撮影しますね~」と言って我々と共に自撮りをし、その場で自分のFacebookに写真をアップしていた。SNSのコンプライアンスが適当すぎる。
そんな感じで、私自身は特に被害はないのだが、海外旅行で初めて警察のお世話になってしまった。
ちなみに、フランクフルト中央駅前は東横インもあるが、そちらは駅の南側にあり、そこまで治安が悪い地域ではない。フランクフルト中央駅前に宿泊する際は、くれぐれも周囲の治安に気をつけてほしい。
つづく。