ウィーンのトラムは1865年に開業し180km近い路線網が広がる、欧州でも有数の規模のトラムである。
トラムに乗ってウィーンの街を巡った。
訪問日: 2015年3月3日
レイルジェットでプラハからウィーンへ
ホステルをチェックアウトして、プラハ中央駅に来た。
メインホールには美しい装飾が並んでいて、駅の見どころの一つになっている。
ホームにはチェコ鉄道の680型ペンドリーノが停車していた。
レイルジェットRJ77列車、グラーツ行きに乗ってチェコを離れる。プラハ中央駅を12:42に出発し、ウィーン中央駅には16:52に到着する。
オーストリア連邦鉄道(ÖBB)の電気機関車タウルスが牽引する編成である。
レイルジェットの車内は集団見合い式の2+2列シートであった。
レイルジェットは最高速度230km/hであるが、プラハからウィーンの間は160km/hが最高であった。
プラハから4時間ほどでウィーン中央駅に到着した。2014年に全面開業したばかりの新しい駅である。ホームの屋根の形も独特である。
シティシャトルの2階建て列車も停まっていた。
こちらは2階建て車両を牽引する電気機関車タウルス。
駅舎も真新しいモダンな建物だった。
ウィーンの公共交通を撮る
ウィーンといえば「音楽の都」である。それだけではなく、かつての帝都として王宮など多数の歴史的建造物が残されている。
だがウィーンの魅力はそれだけではない。ウィーンの公共交通は多種多様な面白さにあふれている。
ウィーンの地下鉄(U-Bahn)のU型車両。
ウィーン市内を走るバッテリー駆動の電気バス。停留所でパンタグラフにより給電しているようである。
ウィーンの低床式路面電車は「ULF」と呼ばれている。
こちらは高床式のE型車両である。
ウィーンの近郊列車(S-Bahn)では2階建てのプッシュプル車両が活躍している。ウィーン中央駅の地下ホームで撮影。
オーストリア鉄道(ÖBB)の地域急行(REX)の客車(左)と、4124型電車(右)。ウィーン中央駅の地上ホームで撮影。
ユーロシティでウィーンからベネチアへ
早朝のウィーン中央駅に来た。
ユーロシティEC31列車、ベネチア行きに乗車する。 ウィーン中央駅を06:22に出発し、ベネチア・サンタルチア駅に14:01に到着する。およそ8時間にも及ぶロングラン列車である。
列車は客車編成である。
2等車に乗車する。6人個室タイプで、ゆったりして過ごしやすい。伝統的なヨーロッパの特急列車そのものである。乗客は少なく、同じ部屋にはおおむね1人か2人で、貸し切りになる時もあった。
列車はウィーンを出発するとまもなくゼメリング峠を通過する。この区間は1854年に開通した山岳鉄道で、「ゼメリング鉄道」として世界遺産にも登録されている。
ちなみに「ゼメリング鉄道」で画像検索すると壮大な風景が見られるのだが、いざ乗車して車内から見てみると意外と普通の「いい景色」だった。やはりこの区間は「乗る」より「撮る」方がいいかもしれない。次は山登りをして撮影しに行こう。
とはいえ、充分に絶景であることには違いない。古式ゆかしい特急列車に乗って、車窓からゆったりとアルプスの山々を眺めるのは、ヨーロッパの鉄道旅行の醍醐味だと思う。
イタリア国境に近いフィラハに停車する。国境を超えた次のタルビジオ・ボスコベルデではイタリアの警察官によるパスポートのチェックがあった。オーストリアもイタリアもシェンゲン圏なので国境審査はないはずなのだが、簡易的な身分証確認のようなものはしているのだろうか。
アルプスを越えてイタリアに入ると、風景の様子が全く変わってくる。
ところで、この国境区間はオーストリアとイタリアを結ぶ重要幹線であるはずなのだが、国境を越える列車は夜行列車が5往復もあるにも関わらず、昼間はレイルジェットが2往復しかないようである(2023年現在、2015年当時もほぼ同様だった)。日本の県境のローカル線のようなものなのだろうか。
車内を探検する。食堂車に行ってみたが、もう営業していないようだった。
さて、列車は本土側のベネチア・メストレ駅を出発し、いよいよベネチア島に入る。観光地のベネチア島と違い、本土側はふつうの工業地帯である。
ベネチア島が見えてきた。
ウィーンから8時間、アルプスを越え、ベネチア・サンタルチア駅に到着した。
イタリアのホームにオーストリアの電気機関車が停まっている。夜行列車以外では、今までヨーロッパ旅行で一番長く乗車していたかもしれない。
ベネチア・サンタルチア駅はベネチア島内にある頭端式ターミナルである。
高速列車から普通列車まで、多種多様な車両が停まっている。
日本で例えるなら、三重県の近鉄賢島駅みたいなイメージだろうか。
ベネチア島自体は人口5万人程度の小都市であるが、人口200万超のベネチア大都市圏の中心駅として栄えている。
駅舎の外に出た。駅舎には旧イタリア国鉄(Ferrovie dello Stato, FS)のロゴが今も掲げられている。日本で言うならばJRの駅に未だに「JNR」と書いてあるようなものだろう。
つづく。