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twinrailの海外鉄道旅行記録

ユーロスターに乗ってロンドン交通博物館に行く 西欧周遊巡検 10-02

地下鉄発祥の地・ロンドンに行ったら、やはりロンドン交通博物館に行きたい。

パリからユーロスターに乗ってロンドンに向かった。

訪問日: 2015年2月21日

ユーロスターに乗ってパリからロンドンへ

早朝、友人とパリ北駅に来た。フランスとイギリスを結ぶ国際列車、ユーロスターに乗車する。9007列車、パリ北駅07:10発、ロンドン・セントパンクラス行きである。

ちなみにユーロスター出入国審査は、出発駅で到着国の入国審査まで済ませられる。すなわち、パリ北駅でフランスの出国審査とイギリスの入国審査の両方が行われる。列車に乗車する時点では既にイギリス国内にいるという不思議な状態なのだ。

いよいよユーロスターに搭乗する。ドア横のロゴ。

今回、なんと1等車に乗車する。ユーロスターも早期予約割引があるのだが、2等車の割引枠が無くなり通常運賃になっていた一方で、1等車にはまだ残っておりそちらの方が安かったのである。

ちなみにユーロスターの車内はけっこう狭い。1等車は2+1列シートだが、ちょっと圧迫感がある。しかも座席が回転せず、車両の半分は必ず進行方向と逆向きになる。

……というわけで日本の新幹線のような快適さを求めると少々見劣りしてしまう。一方でヨーロッパの1等車らしく朝食のサービスがあり、なかなか美味しかった。

カレー・フレタン駅を過ぎ、ドーバー海峡トンネルに突入する。

出発から約2時間半、ロンドンのセント・パンクラス駅に08:32に到着した。車両は373系だった。

セントパンクラス駅の構内を歩く。

セントパンクラス駅の外に出た。ゴシックリバイバル様式の美しい駅舎である。

ロンドンの名所を巡る

この日と翌日はロンドンの名所を観光したり、列車の撮影を行ったりした。撮影記録は別の記事に書くとして、この記事では名所を紹介する。

ロンドン名物の2階建てバスボルボのB5L。

オックスフォード通りを走るアレクサンダーデニスのE400。

バッキンガム宮殿に来た。衛兵交代式が有名だが、訪れた時は行われていなかった。ちなみに見学するとなると周りの柵の隙間から見ることになり、かなり覗き見感がすごい。

宮殿から少し歩いてウェストミンスター寺院を見学する。国王の戴冠式が行われる場所でもある。

隣接したウェストミンスター宮殿(イギリス国会議事堂)とビッグベン。毎時0分になるとウェストミンスターの鐘と呼ばれる時鐘が鳴らされ、日本の学校のチャイムの原曲にもなっている。ロンドンの真ん中で学校のチャイムが流れるのでちょっと面白い。

テムズ川下流の方に向かい、ロンドン塔まで来た。要塞として建てられ、宮殿となったり監獄となったりした歴史ある建物である。

有名なタワーブリッジはロンドン塔に隣接している。1894年に開通した現役の跳開橋である。

ちなみに、童謡『ロンドン橋落ちた』に出てくるロンドン橋はこの一つ上流側にある2000年近く前からある橋で、現在は1973年に開通したごく普通のコンクリート橋になっている。

DLRに乗ってグリニッジ天文台を訪問する

グリニッジ天文台を訪問する。かつて経度0度(本初子午線)として定められた場所として有名なポイントである。

グリニッジ天文台へはDLR(ドックランズライトレールウェイ)に乗って行くことができる。始発であるタワーゲートウェイ駅から乗車する。

DLRは無人運転をしており、東京で言えばゆりかもめに近い。ただしゴムタイヤでコンクリート軌道を走るゆりかもめと違って、こちらは通常の鉄の線路と車輪で走る。

無人運転だが、特にホームドアなどはなく、わりと普通の鉄道っぽい感じである。

車内の様子。クロスシートである。

無人運転なので、やはり先頭からの眺めが良い。高架区間も多く、ドックランズという再開発地域を走るので、車窓もゆりかもめのような感じがする。

グリニッジ駅で下車する。駅からは公園の中を通って徒歩20分ぐらいで天文台に着く。小高い丘の上にあるので眺めもいい。眼下にはグリニッジ大学と、テムズ川の向こうにカナリーワーフの高層ビル群が見える。

グリニッジ天文台のフラムスティードハウスにやってきた。屋根の上の赤い玉は報時球と呼ばれ、かつては一定の時刻にこれを落下させることで周囲に正確な時刻を知らせていたという。

本初子午線はフラムスティードハウスの隣の建物から延びた線によって定められていた。それを示す線とモニュメントがあり、この写真はかつての経度0度から撮っている。

なお、現在の経度0度(国際基準子午線)は、ここから東に100mぐらいのところにある。特にモニュメントはないらしい(あったら教えてください)。

ロンドン交通博物館を見学する

ロンドン滞在3日目はロンドン交通博物館を見学する。

地下鉄ピカデリー線のコベントガーデン駅からすぐのところに位置する。駅名と同じコベントガーデンというアーケード街の一角にある。

ところでこの博物館、入場料が17ポンド(約3000円)もする。いくらなんでも高すぎではないかと思ったのだが、これは年パスで1年間入り放題なのだという。逆に言うと、普通の1回限りの入場券は売っていないらしい。どういう価格設定なんだ?

館内ではちょっとレイヤーがズレた東京の地下鉄路線図に迎えられる。

馬車の時代から蒸気機関車の地下鉄の時代、トラムが走っていた時代など、歴史資料の展示は世界でも有数の奥深さかもしれない。やはり鉄道と地下鉄の発祥の地なのである。

かつての地下鉄の建設風景。当時は開削工法だが主流だったようである。

変わったところだとロゴマークやフォントのデザインについての展示もある。ロゴとフォントは1910年代、路線図は1930年代に製作されたという。100年経っても色あせることのない、良いデザインである。

地下鉄車両の展示も充実している。実車が多数置かれている。

車内に入ることもできる。メチャメチャ狭く感じるが、よく考えたらおそらく現在も同じくらい狭いはずだ。

上に書いた通り、ロンドン地下鉄ロゴマークなどのデザインは100年前からほぼ同じである。古い木造の車両に、今と変わらないデザインの路線図が貼ってあるのは何となく不思議な感じがする。

2階建てバスやトラムの展示もある。

現代の鉄道の解説もある。

館内を見渡すと、だいたいの訪問客は子供連れの家族である。入場券が年パスしかない上に高い一方で、17歳以下は無料という太っ腹な価格設定なのだ。

ちなみに、このあとユーロスターでベルギーのブリュッセルに向かおうとしたのだが、最寄りのコベントガーデン駅が閉鎖されていた。しかたなく隣のホルボーン駅までダッシュして事なきを得たが、汗だくになってしまった。

ロンドン地下鉄は設備が古いことも災いしてか、わりと頻繁に駅が閉鎖されたり路線が運休したりする。歴史ある地下鉄に乗る時は注意が必要である。

つづく。