かつて蒸気機関車が走っていた時代、機関車の進行方向を変えるために「転車台」というターンテーブルを使っていた。その周りに作られた車庫は、その形から「扇形庫」と呼ばれていた。
扇型庫は日本でも京都の梅小路など数個しか現存していない。そして、台湾ではただ一つしか残っていない。
台湾唯一の扇形庫、彰化扇形車庫を見に行った。
訪問日: 2013年月9日17日
彰化扇形車庫を見学する
朝、台中駅前のホテルをチェックアウトする。西部幹線区間車2127列車に乗り、台中駅を08:42に出発する。
彰化駅に09:02に到着した。写真の駅舎も現在は改装されている模様である。
駅の北側の少し離れたところに彰化扇形庫がある。ちなみに写真を見てのとおり、稼働中の鉄道車庫に自由に立ち入って問題ない。この緩さは日本ではあまり見られないだろう。
保存されている蒸気機関車は3両ある。1つ目がDT668号機、こちらは日本のD51と同型式で、川崎車輌製である。
2つ目がCK101号機である。
3つ目がCK124号機、こちらは日本のC12と同型式で、日本車輌製である。
転車台が実際に稼働している様子も間近で見ることができる。柵もなく、目の前で動いている姿が見られるのはかなり凄いかもしれない。
ローカル線・集集線に乗る
彰化から集集線に直通する区快車2711列車に乗る。彰化を09:54に出て、集集には11:07に到着した。車両はきのう内湾線でも乗った日本車輌製のDRC1000型である。
集集駅は木造駅舎が残っており、周辺とあわせて有名な観光スポットになっている。
駅前には阿里山森林鉄道の蒸気機関車の22号機が置かれている。
集集駅の近くには武昌宮という道教の廟がある。何の変哲もない地方の小さな廟なのだが、台湾ではあるできごとをきっかけに有名になった。
この廟の近くに、もう一つ潰れた廟がある。武昌宮の元々の建物は、1999年9月21日に発生した集集大地震によって倒壊した。その後、先ほどの写真の場所に再建された一方で、倒壊した建物もそのまま残されている。
集集駅前を一通り見終わった後は、近くの線路脇で列車を撮影して、駅に戻った。
なお、2022年現在では、集集線は土砂災害のため一部区間で不通になっている。
集集線の終点・車埕駅を訪れる
集集駅12:32発の集集線区快車2713列車に乗る。車内に丸型の仕切りがあるのが特徴的だ。
終点の車埕に12:47に到着した。山あいにポツンと佇むローカル線の終着駅である。
車埕駅前は、かつて操車場だった跡地が公園として整備されている。
車埕から南投客運の6671系統のバスに乗る。目指すは日月潭である。
日月潭を巡る
日月潭は台湾最大の天然湖であり、また有数の観光地である。
湖面にはボートや遊覧船が浮かび、湖畔には遊歩道やサイクリングロードが整備されている。
自然に恵まれている一方で、中心街は夜でもギラギラと輝き、台湾らしさを感じられる街だった。
つづく。