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twinrailの海外鉄道旅行記録

北朝鮮を「ふつうに」旅行しにいく 朝鮮平壌南浦巡検 02-01

2019年9月、再び朝鮮に行くことにした。

前回2016年3月に旅行した時は、twitterで募集した33人を連れて行った。もうそんな大変なことはやめて「ふつうに」観光しようと思った。

訪問日: 2019年9月12日

朝鮮を「ふつうに」旅行しにいく

 

私はtwitterで鉄道マニア33人を集めて朝鮮を旅行したことがある。2016年3月、大学の卒業旅行のことだった。

あれから3年が過ぎ、時は2019年になった。私は再び朝鮮に行きたいと思っていた。だが、私はもう仕事を始めており、さすがにもう一度33人も集めるような体力も気力もなかった。

なので、今回は見知った友人6名だけを連れて行くことにした。前回33人も連れて行ったのは旅行代金を割安にするためだったが、実のところ33人でも6人でもさほど代金は変わらなかった。最初からこの人数でもよかったな、と思わなくもなかった。

旅行社は前回と同じく大連の「コリアツアーズ」である。前回の旅行から3年以上経ったが、担当者も社長も私のことを覚えていてくれた。というか、平壌現地の朝鮮国際旅行社ですら覚えていたらしい。34人で朝鮮に行くと名前を認知してもらえるのである。

今回のメンバーには鉄道好き以外も多かったし、前回のように路線バスや路面電車を貸し切るつもりもなかった。普通の海外旅行と同じように、朝鮮を「普通に」旅行してみたかった。

こうして2019年9月、飛行機に乗って中国に飛び、再び北朝鮮に赴いた。

なお、ダイジェストとして、noteにも記事があるので、あわせて読んでいただければうれしい。

春秋航空日本で成田から天津へ

早朝4時。成田空港は誰もいない。

 

国際線がインバウンド客で華やかりし時代、成田空港にも深夜や早朝に飛行機が多数発着していた。その乗客のため、空港第2ターミナルには北ウェイティングエリアというスペースが設けられていた。

 

要するに無料の雑魚寝スペースということである。夜行バスにもよく似た、気だるい雰囲気に包まれた空間だ。

私と友人は早朝発の航空便に乗るために前夜からこのエリアに寝泊まりしていた。ただ、私は一睡もできなかった。

 

朝の成田空港で、旅行メンバー7名のうち4名が合流すした。春秋航空日本(現・スプリングジャパン)IJ253便、成田空港07:00発の天津行きに搭乗する。

 

ちなみに前回の朝鮮旅行では春秋航空に乗ったが、そちらは中国の航空会社である。春秋航空日本は日本の航空会社で、客室乗務員も基本的に日本人である。

 

9時40分、天津浜海空港に着陸する。空港からまずは天津地下鉄2号線で西南角(西南角)駅に行く。

国鉄道の2階建て列車で天津から北京へ

西南角駅からは天津地下鉄1号線で天津西駅に向かう。

 

天津西駅は、天津駅や天津南駅とともに並ぶ、天津の3大ターミナル駅の一つである。

 

駅前には天津市営バス(天津公交)のターミナルもある。バスの車体の塗装が割とかっこいい。

 

ちなみに付近には旧天津西駅の駅舎が史跡として残されている。残念ながら中に入ることはできなかった。

 

天津西駅に入る。とにかくひたすらデカく、空港のような大きさをしている。

 

鉄道むすめ羽田あいるがいた。東京モノレールから中国鉄道に転職したのだろうか。

張家口南行きY532列車に乗る。中国鉄道でも珍しい「旅遊」という種別であり、いわゆる観光列車に該当する。車両も中国では珍しい2階建てである。

 

車内の様子。「軟座」と呼ばれる、日本でいうグリーン車に相当する席種である。2階建てなので、少し欧州っぽい雰囲気も感じる。

 

座席の様子。グリーン車といえどもリクライニングするわけではなく、ちょっとゴージャスなクロスシート程度であった。観光列車という種別ではあるが、ごくふつうの列車で、特別な設備やサービスがあるわけでもなかった。

 

北京西駅に到着する。

 

北京西駅は非常に特徴的な形の駅舎だが、残念ながら大きすぎて写真を撮るが難しい。

北京西駅から北京駅へ移動する。10kmぐらい離れている上に、地下鉄だと乗り換えが必ず2回発生する。道路ではほぼ一直線で着くので、路線バスで移動することにした。

しかし、道路がメチャメチャ混んでいてものすごく遅い。結局1時間ぐらいかかってしまった。

北京発・平壌行き寝台列車に乗る

北京駅。中国の鉄道の中心地として相応しい風格の駅だ。旅行メンバーがここで2人加わって、総勢6人になった。

 

駅の中も格好いい。ただ、乗客が多くてやや手狭である。

 

17時27分発、平壌行きK27列車に乗りこむ。といっても乗車するのは中国国内最後の駅、丹東までである。

 

今回乗車するのは「硬臥」と呼ばれる3段開放寝台である。そのため一区画がちょうど6人なのであるが、中国鉄道の予約システムでは寝台位置の指定ができないので、微妙に離れた位置になってしまった。既に先客がいたが、拙い中国語で交渉すると位置を変わってもらうことができた。

ちなみに上段→中段→下段の順に寝台料金は少し高くなる。今回は高い方への交換だったので快く譲ってもらえたが、安い方への交換であれば差額は負担するべきなのであろう。早く寝台位置の指定をできるようにしてほしい。

 

翌朝、9月13日。丹東駅に到着する。

我々の列車は左側の7番ホームに到着したが、この列車の方向表示は「北京-丹東」になっている。一方で、右側の6番ホームにいる車両には「丹東-平壌」と書かれている。平壌行きK27列車とはいえども、連絡運輸をしているだけで、車両は直通しないように思える。

丹東駅の外に出る。食事等を購入したあと、旅行社の現地担当者からきっぷを受け取る。

いよいよ朝鮮に向かって出発する。

つづく。