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twinrailの海外鉄道旅行記録

ユジノサハリンスクでスバル製気動車を撮影する ロシアサハリン巡検 16-02

ロシア・サハリンには、かつてスバル(富士重工)製の気動車が走っていた。

もう見ることのできない、サハリンの風景。

訪問日: 2016年8月21日

ユジノサハリンスクのショッピングモールに行く

コルサコフから115系統の路線バスでコルサコフからユジノサハリンスク駅前まで移動してきた。

今回の旅行では、写真右側にあるユジノサハリンスク駅前のホテル「ユーラシア」(Евразия)に宿泊した。

隣にはハンバーガーショップ「ブーボ」(BUBO)もあり、サハリンの鉄道旅行客には定番だったようである。だが、残念ながら現在は両方とも閉店しているらしい。

ユジノサハリンスク駅前にはレーニンの像がそびえている。

日本のD51型蒸気機関車も展示されていた。

小型路線バス(マルシュルートカ)に乗って、郊外のショッピングモールに向かう。

ここ「シティモール」(СИТИ МОЛЛ)は、サハリン最大のショッピングモールである。日本で言えば地方のイオンモールみたいな感じの場所かもしれない。中のスーパーでお土産を買った。

サハリンのスバル製気動車に乗る

さて、シティモールに来た理由は、ここから列車に乗るためである。

ショッピングモールに隣接して駅があるのは便利かもしれないが、1日にたった2往復しか列車はやってこない。当然ながら、乗客は我々4人しかいなかった。

そもそもホームからしてこの適当さである。バス停みたい。

しかし、こんな小さな駅にも列車はほぼ時刻どおりやってきた。1985年スバル(富士重工)製のD2(Д2)型気動車である。

日も暮れてブルーアワーになり、車窓が青く染まってきた。

内装だけを見ると、日本の国鉄時代の気動車とそうそう変わらないように思える。ロシアにいるのに、日本のローカル線を旅しているような気分になる。

終点のユジノサハリンスクに到着した。

これからサハリン北部のノグリキへ向かう夜行列車が2本控えている。ユジノサハリンスク駅も、夜行列車を待つ人々で賑わっていた。

ユジノサハリンスク駅の時刻表。

サハリンの列車を撮影する

翌朝、なんともう日本に帰る日になってしまった。本来はユジノサハリンスク観光の時間を2泊分確保していたのだが、船の遅延でたった1泊だけになってしまったのである。

ホテル・ユーラシアの部屋から朝のユジノサハリンスクを見下ろす。トレインビューの最高のホテルだった。

ホテルを出て、ユジノサハリンスク駅北方の踏切から列車を撮影する。まずは早朝、ユジノサハリンスクから北方に向かう貨物列車が通過していった。

ノグリキからユジノサハリンスクへの夜行列車が到着する。

ノグリキからの夜行列車がもう一本やってきた。

そして、近郊列車に使われているD2型気動車がやってきた。

ちなみに撮影した2016年当時は、サハリンの鉄道は日本と同じ狭軌(1067mm)だった。その後、ロシア本土と同じ広軌(1520mm)に改造する工事が行われ、2020年以降は全線が広軌になっている。

D2型気動車も現在は使われていないようで、当時撮影した車両とは顔ぶれが大きく異なっているだろうと思う。

ユジノサハリンスク鉄道博物館を見学する

ユジノサハリンスク駅脇には鉄道博物館があり、車両が展示されている。

JR東日本のキハ58形(キハ58 495)がいた。1993年に譲渡されたもので、サハリンではК1(K1)形気動車として運行されていたという。

他にも色々な車両が展示されている。

鉄道博物館以外にも、ユジノサハリンスク市内をちょっとだけ見て回った。

サハリン州郷土博物館(Сахалинский государственный областной краеведческий музей)の建築は、どう見ても日本統治時代の名残である。当時は樺太庁博物館であったという。

オーロラ航空で東京に帰る

午前中ににユジノサハリンスク市内の観光を終え、いそいそと東京へ帰るため空港へ向かった。こんなに慌ただしい海外旅行もそうそうないだろう。

オーロラ航空HZ133便に搭乗する。ユジノサハリンスクのホムトボ空港を12:00に離陸する。

およそ2時間半後、12:35に成田空港に着陸した。東京からは最も飛行時間が短い国際線の一つだっただろう。また、成田空港に着陸する数少ないプロペラ機の一つでもあった。

わずか3年間だけだったチャーター船によるサハリン航路、狭軌時代のサハリン鉄道、ロシアから飛ぶプロペラ機など、今となっては貴重な乗り物の数々だった。

2023年現在、サハリン航路はおろか、日本とロシアの直行航空便すらなくなってしまった。ソ連時代のように、サハリンは近くて遠い存在に戻ってしまうのだろうか?

おわり。