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twinrailの海外鉄道旅行記録

シベリア鉄道を全線横断する(1~2日目) ロシアシベリア巡検 12-02

シベリア鉄道は、モスクワからウラジオストクまでを結ぶ、全長約9300kmにわたる世界一長い鉄道である。

「ロシア号」に乗って、6泊7日で全線を横断してきた。

訪問日: 2015年9月5日

ウラジオストク駅で発車を待つ

朝、シベリア鉄道のターミナル、ウラジオストク駅にやってきた。

立派な駅舎があるが、これはあくまできっぷ売り場や待合室でしかない。実際に乗るときは駅舎を通らず外の跨線橋から直接乗車していいのがロシアスタイルである。

シベリア鉄道は全線電化されている。牽引する機関車も電気機関車である。

今回我々が乗車する車両。かなり新しくて綺麗だった。

列車の行き先表示にも「モスクワ」「ウラジオストク」の文字が輝く。列車番号もモスクワ行きは「1」となっており、名実ともにロシアを代表する列車である。

※日本と逆に、ロシアの列車は上り(モスクワ方面行き)が奇数番号になっている。またロシア鉄道は支社ごとに列車番号を振っているので、1番列車は他にも存在する。

今回は2等車に該当する、クペーと呼ばれる2段4人個室を利用する。友人3人と行ったので、ちょうどまるまる一室貸し切れるというわけである。

荷物が重すぎて部屋の写真を撮る前に荷物を投げ込んでしまった。申しわけない。

「ロシア」の文字とともに国旗カラーが塗装された車両も連結されていた。

車内に時刻表が掲示されていた。時刻は2015年当時は全てモスクワ時間で掲載されていた。(現在は現地時間で表示されている。)

9260km、146時間、6泊7日という世界最長クラスの鉄道旅が始まる……。

ウラジオストク駅を発車する

ウラジオストク時間2015年9月5日11時02分、ロシア号はいつの間にかぬるっとウラジオストク駅を発車していた。

しばらくはアムール湾(ピョートル大帝湾)に沿って走る。このあたりは保養地らしく、夏のリゾートを楽しむ人が見えた。

セダンカ駅を通過する。シベリア鉄道でほぼ唯一海に面した駅である。下灘駅みたいなものだと思う。

アムール湾横断橋を横目に走る。

最初の停車駅、ウスリスク駅(Уссурийск)に到着した。

18分の停車時間があるので、ホームに出る。

車内で「生活」する

いきなり大学生の宅飲みみたいな画像で失礼する。6泊7日の列車旅ともなると、もはや個室は「生活空間」となる。カップ麺を食べ、お菓子をつまみ、紅茶を飲んで寝る、そんな日々が続く。

同行者の一人はガムテープとビニールひも、洗濯ばさみと布を使って即席のカーテンを作っていた。

クペーは全て個室なので他の乗客の様子はわからない。乗車率は半分くらいで、車内も静かである。

トイレは洋式で、けっこう清潔である。ただしトイレットペーパーは切れていることが多い。また、シャワーはない。

シーツはビニール袋に入れて配られる。自分でセットする方式である。

ロシア鉄道の魅力として、記念品から軽食まで、車内販売が充実していることが挙げられる。各車両に車掌は在中しているので、声をかければ売ってくれる。たくさん買うと心なしか応対が良くなるので積極的に買っていこう。

極東シベリアの大地を走る

車窓の半分ぐらいは森の中だが、ときおり大きく視界が開ける。日本ではそうそう見ることができない、スケールの大きい風景である。

シビルチェボ駅(Сибирцево)。

スパスクダリニー駅(Спасск-Дальний)。

ルジノ駅(Ружино)。

蒸気機関車が展示されていた。

ダリネレチェンスク駅(Дальнереченск)。

ビャゼムスカヤ駅(Вяземская)。日が暮れ始めた。

15分の停車時間がある。タバコを吸いに出ている人もいるし、外から物売りもやってきている。

23:00、ウラジオストクを出て次の大都市、ハバロフスクに到着した。1日目の最後の停車駅である。

2日目の朝を迎える

2015年9月6日、シベリア鉄道の旅の2日目を迎える。

車窓は昨日とあまり変わらず、一面の緑の中を走っていく。

08:49、ベロゴルスク駅に停車する。

列車を迎えるレーニン像。

ここで機関車の交換を行う。

新たな機関車が連結された。

駅の外に出てみる。ロシアの駅は改札がないので、停車中に街に出放題である。駅舎には「駅」(Вокзал)としか書かれていない。ここがベロゴルスクであることは町中から見たら当然であるため「駅」としか書いていないのだろうが、それでいいのか?

駅のホームにはこのようなキオスクがあり、お菓子やカップ麺が買える。受け渡し口が小さいのは極寒地仕様なのだろうか。

シマノフスカヤ駅(Шимановская)。

ティグダ駅(Тыгда)。

スコボロジノ駅(Сковородино)。

貨物列車の操車場が見える。シベリア鉄道は世界の物流の大動脈であることが感じられる。

シベリア鉄道はほとんど無人地帯を走るが、こうしてときどき農村部の様子も見られる。

針葉樹林、タイガの中をゆっくりと走っていく。

少しずつ陽が傾いてきた。

エロフェイパブロビチ駅(Ерофей Павлович)に21:06に到着する。本日ほぼ最後の停車駅である。

シーツをセットして寝る準備に入る。相変わらず机の上が散らかっているのは勘弁してほしい。

つづく。