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twinrailの海外鉄道旅行記録

長項線の旧型セマウル号に乗って全州へ行く 韓国周遊巡検 05-04

セマウル号は、かつては韓国で最も速い種別の客車列車だった。だが、2004年にKTX(高速列車)が開業し、さらに2014年にITX-セマウル号電車が登場すると、だんだんと本数を減らしていった。2018年には旧型のセマウル号客車は全て廃止され、2023年現在ではムグンファ号改造客車のセマウル号京釜線・長項線に残るだけである。

そんなセマウル号の旧型客車に乗ったときの話。

訪問日: 2013年12月25日

旧型のセマウル号客車に乗ってソウルから益山へ行く

ソウル駅から地下鉄で2駅南にある竜山駅に来た。東京でいえば東京駅に対する品川駅のような存在のターミナル駅である。京釜線など南東方面の列車はソウル駅発着、湖南線など南西方面の列車は竜山駅発着と分けられている。

 

セマウル号1153列車に乗る。行き先は益山だ。

 

ホームに降りる。セマウル号の旧型客車は丸みを帯びた形状をしており、横長の窓が特徴的である。

 

7400系ディーゼル機関車が牽引する。

列車は竜山駅を09:27に出発した。しばらくは京釜線を走る。

 

セマウル号の車内の様子。一般車であるが、グリーン車のような重厚な雰囲気が漂う。

 

座席もゆったりとしており、快適である。

 

天安を過ぎると、列車は長項線に入る。農村地帯の中に高層マンションが林立している風景が見られる。

 

長項駅を通り、列車は錦江を渡る。日本史に登場する「白村江の戦い」の白村江はこの川の河口あたりだと推定されているらしい。

 

ソウルから3時間半が経ち、終点の益山駅に13:01に到着した。

 

ムグンファ号で益山から全州へ向かう

益山駅で全羅線のムグンファ号に乗り換える。 麗水行の1535列車が、13:35に出発する。

 

8000系電気機関車が牽引する客車ムグンファ号だ。

 

ムグンファ号の車内の様子。セマウル号ほどいい座席ではないが、安くて快適でコスパがいいのがムグンファ号のメリットだ。

 

13:52に目的地の全州に到着する。多くの乗客の入れ替えがあった。

 

発車のときには車掌がドアに立って無線で安全確認を行う。車掌室がない客車列車ならではの光景である。

 

全州駅の駅舎の中の様子。地方の主要駅といった列車本数と規模である。

 

全州駅の一番の特徴は韓屋様式(朝鮮の伝統的な建築様式)の駅舎である。

 

全州の韓屋村を歩く

駅舎の建築にも象徴されるように、全州は古くから全羅道の中心であった古都である。市街地には「韓屋村」と呼ばれる古い家屋が立ち並ぶエリアがある。

 

通りに面した韓屋は綺麗にリノベされており、カフェや土産物屋が並んでいる。

 

電柱も撤去され道路も石畳になっており、大通りはテーマパークのような街並みになっている。

 

一方で上から見渡すと渋い路地裏なども見つけられる。どちらを楽しんでもよいと思う。

 

KTXサンチョンで全州からソウルへ戻る

全州駅に戻ってきた。KTXも走る高規格の軌道なのに、ホームは低床なので見慣れない感じがする。

 

KTXの708列車に乗る。全州を16:33に出る。

 

KTX110000系「サンチョン」が来た。KTX100000系がほぼフランスのTGVと同型式だったのに対し、こちらは韓国製の車両である。

 

KTXサンチョンの車内の様子。セマウル号ムグンファ号と比べると、KTXが一番料金が高いわりに一番座席が狭いのだが……。

 

益山駅で湖南線からのKTXと連結する。高速列車の連結は日本でも福島駅や盛岡駅で見られるが、係員が線路に降りて連結作業を行うのは低床ホームの韓国ならではだ。

 

手動でコックを開いて手で連結カバーを開けている。異常時の扱いなのか、通常時からこのような扱いなのかは不明である。

 

湖南線からのKTXがやってきた。

 

係員の合図で連結作業が行われる。最後まで見ていると列車に乗り遅れるのでこのへんで見学は終了。

 

終点の竜山駅には18:50に到着した。

 

竜山駅もクリスマスの装いをしていた。

 

つづく。